介護業界は早期退社が多い業界のひとつです。そのためフロアリーダーだった人が急に退職してしまい、まだ介護士として仕事を始めて数年しかたっていないのに、フロアリーダーに抜擢されてしまうという事があります。ようやく介護士の仕事して現場で働く事に慣れて楽しくなってきた頃なのに、いきなり管理職をまかされてもどうしていいかわからない…そんな悩みを訴える人がいます。現場で高齢者に向かって仕事をする介護士の仕事と違い、フロアリーダーなど管理職になると、チームをまとめる役目ができたり、運営者からいろいろ文句を言われたりとこれまでとは違う仕事が増えストレスがたまる場面も増えてきます。
フロアリーダーともなると、他の介護士の配置などの仕事もまかされます。しかしまだ経験が浅いため、適材適所とはいかず配置を間違ってしまう事もあります。そんな時にパート介護士さんのほうが経験が上の場合は、嫌味を言われたりする事もあります。もちろん上層部からもダメ出しをされてしまいます。そもそも自分から望んで、フロアリーダーになろうと思ったのではないのに、急に管理職をまかされてしまったという後ろ向きな気持ちを持っている場合はそれらの事を辛く感じると思います。現場の介護士からの文句を聞いて、問題を解決するために動きまわり、それでも上層部からは文句を言われてしまうなんて耐えられない、辞めたいと思う人も出てくるでしょう。
もし急に管理職をまかされたとしても、それを悲劇ととらえるか、チャンスだととらえるかで、かなり仕事に対するモチベーションが変わります。もしも長い間介護業界で働きたいと思っているのなら、いつまでも現場の介護士の仕事を続ける事はできません。身体が疲れて、動かなくなったら高齢者の身体を支えたり、移動させたりする事ができなくなるからです。最終的にはケアマネージャーになるなど、管理職として介護施設全体の事を考えてスタッフを適材適所に配置し、高齢者のケアプランを考えるような立場になるのが理想です。そう考えれば若い段階で、フロアリーダーとして管理職をまかされる事は意味があるのではないでしょうか。
リーダーになって大変な事が起きても、本気でスタッフや高齢者に取り組んでいると認められたら、周囲の誰かが助けてくれるものです。次第にスタッフが家族のような存在になり、仕事にやりがいを感じられるようになるでしょう。自分が成長していくのが感じられるようになれば、ますます仕事に対するモチベーションが上がると思います。リーダーとして前向きに取り組めば、次々にいい事が起こるかもしれません。それは一介の現場の介護士としては味わう事ができないものかもしれません。