介護の現場では、スタッフが次々に辞めてしまうという現象が起きやすいと言われています。まず介護の仕事は肉体的にもきつく、精神的なストレスもたまりやすい仕事です。また独特の職場環境ですので、雰囲気に合わない人も出てくるでしょう。またスタッフが辞めてしまう職場では、ひとりひとりの負担も重くなり、そのために空気が悪くなり、さらに辞める人が出てくるという悪循環も起きているかもしれません。このような職場でフロアリーダーをまかされた時、離職者が多い現象を自分の力でストップさせたいと頑張る人が現れます。しかし頑張りもむなしく離職者を減らす事ができずに悩んでしまう人も多いようです。
離職者が多いのは、職場のリーダーの責任ではなく業界全体の問題ですので、指をくわえて見ているしかないと思うのは間違いです。フロアリーダーにもやれる事があります。それは介護スタッフのモチベーションを上げるように意識付けをしてあげる事です。具体的に仕事に対してモチベーションを持って取り組める時というのは、まず目標を掲げて、その目標を達成するために自分で行動を決める事が出来て、仕事を通じて成長を感じる事ができている時です。「これをやって」「これをするな」と上からの指示をただ聞いて作業をこなしているだけではモチベーションは上がりません。
ただし、このようなモチベーションを上げる働き方を自発的に出来る人はほとんどいないので、リーダーとしてそのような心構えを持てるように仕向けてあげる必要があるのです。
まずはスタッフひとりひとりと差し向かいで会話をする事が大切です。まずスタッフの思いを聞きます。介護業界で将来的にどういう立場になりたいのか、仕事を通じてどんな事を達成したいのかという事を話してもらいます。そうするとケアマネージャーになりたい、介護福祉士になりたいという具体的な目標が決まります。また「仕事を通じて社会と要介護者の垣根をとりのぞきたい」という達成したい目的も見えてきます。
このように具体的でやりがいのある目標や目的が見えてきたら第一段階が終了です。次にそれを達成するためにはどうしたらいいのかを、リーダーが支持するのではなく自分たちで考えるように仕向けましょう。自発的に行動をする事は仕事のモチベーションを上げますし、リーダーが指示をして働かせるよりも仕事の質も上がります。きっとこのスタッフは仕事を通して成長をし、仕事にやりがいを感じるようになります。この一連の作業を「コーチング」と呼びます。コーチングによって離職するスタッフが減る可能性があります。リーダーになったらぜひコーチングについて勉強してみましょう。